ユビキタス時代の仕事のあり方(1)

Sabajapan2007-07-02


 帰宅時の電車の中でのこと。私の近辺で座わっている人6名のうち5名、立っている4名のうち2名。


 これって、何の数字か想像つきますよね?携帯電話とのご対面です。ほとんどが携帯メール、残りがゲームといったところでしょうか。皆が集中していて、結構凄い光景です。最近ヨーロッパには出かけていないので、ご当地事情はわかりませんが、アメリカやオーストラリアではこのような光景、まず見かけません。


 車社会なので、そんなことしていたら危険ということも言えますが、日本って「ユビキタス国家」になったなあと感じます。ICTとは、Information Communication Technology、Commnuicationは重要なキーワード、これこそが情報処理の重要な役割のひとつ。(Communicationを入れるのがグローバルのトレンド。ICTではなくITという言葉を使う人は、学会等では馬鹿にされています。)確かに所詮、コンピュータは、データの蓄積(データベース)、通信(ネットワーク、コミュニケーション)、処理(プロセス)の3つしかやっていません。


 携帯電話はメール機能で絶大な威力を発揮しています。20年前は一部の人にしか使われなかったコンピュータですが、今や携帯電話も立派なコンピュータで、ものすごい数の人が利用しています。パソコンで、メールと簡単な文書や資料作成しかしない人は、もう携帯メール族とレベルは変わりません。友人の外国人が、日本の高校生の携帯メールのボタンさばきを見て、目を丸くしていました。


 私は新幹線通勤族なので、モバイル環境には慣れています。通勤の1時間15分は貴重な読書、睡眠、仕事の時間帯。バッテリーの使い方、走行中はPHSが繋がりにくいので、停車駅近辺で入りやすい駅(電波が強い、ゆっくり走る時間が長いなど)を狙ってメールを送信するコツは体得しています。


 6月29日は、アップルからiフォンが発売され、長蛇の列。さて、ブラックベリーを駆逐するでしょうか?このデバイスユビキタス国家である日本から登場すべきデバイスだと思いますが、残念ながらウォークマンのようにはいきませんでした。というか、ブランドマネジメントとマーケティングの失敗と思います。i-modeでも十分優位性を出せたはずで、海外でのi-modeの便利さと国際ローミングサービスは、その利便性と比較して明らかに「マーケティング損」をしています。


 私のところにもよくブラックベリーからメールが飛んできます。このようにユビキタスの状態で仕事が行われていくと、当然働き方も変わってきます。9時から5時までの勤務時間という概念は希薄化し、オフィスへ来ることの意味が変わってきます。裁量労働制を超えた考え方が必要になってきますし、女工哀史の反省を経た現在の労働基準法は、既に制度疲労を起こしています。


 次回も、ユビキタスと仕事の生産性について、具体的な考察を行ってみたいと思います。


 P.S.  やはり電車の中、7人中7人。今度は、何をしている人達でしょう?そうです、全員寝ていました。途中、私が観察していたことに気づいたのか、一度顔をあげた人がいましたが、7人の居眠りも面白い光景です。以前ドイツの電車の中で、居眠りをしていたら、親切なお婆さんに起こされ、とても心配されました。きっと具合が悪くなったかどうかと思われたのでしょう。周囲の人も、驚いていました。先ほど書いた7人を見てくれれば、日本人にとって自然な光景であることを理解してくれるのに。


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