マルチタスク人間(1)

Sabajapan2007-06-14


 経験の差、また個人の資質として差がでてくる領域がある。マルチタスクだ。

  • 「私は今この仕事をやっているからできません。」
  • 「1つの仕事に集中したいんです。」

 もっともだが、現実には1つの仕事だけやっていればいい人は少数派だろう。非常にシンプルな作業で、他の人とのコミュニケーションがあまり必要のない仕事はシングルタスクの方が効率がよいかもしれない。


 実際、複数の仕事を並行してこなしていくよりも、並行させない方が効率的であると主張する人もいるが、結論としてはマルチタスクの方が仕事量(スループット)は多くなる。その理由は、仕事には必ず無駄があるからだ。


 コンピューターのマルチタスク処理のベースとしてパイプライン処理がある。処理プロセスを分割して、処理の流れを複数化し、CPUが空いた隙間にどんどん処理を詰め込んでいくやり方だ。この場合の仕事の無駄は、データをハードディスクからメモリに読み込んだり、メモリのあるアドレスから別のアドレスにデータを移したりという作業で、シングルタスクの場合、CPUは「待ち」に入ってしまう。


 人間の仕事も同じで、複数の人と仕事を進める場合、ある人の返事がもらえないと判断ができないとか、電話がかかってきたり、想定していない事故がおこったり、前提となるタスクが遅れたり、必ず仕事の隙間ができてしまう。このとき1つの仕事しか処理していない、つまりシングルタスクだと「待ち」や「無駄」が生じてしまう。経験が深い人は、この無駄をよくわかっている。


 ジャグラーは、2本の腕しかないのに3本以上の棒やボールなどをコントロールしてしまう。棒やボールが空中に存在する「隙間」を利用してマルチタスクを可能にしている。この「隙間」を読みながら数多くの仕事をさばいていくプロフェッショナルがジャグリング仕事人だ。


 実は単発の仕事で、能力の差は大きくでない。(ドライバーなのに運転免許を持っていないとか、英語が必要なのに英語が話せないなど、土俵にのっていない場合は話にならないが)「仕事のできる、できない」は、マルチタスクがこなせるかどうかで、全体的な仕事量、つまりスループットと質に大きな差がでてくる。


 企業が求めている人財は、やはりマルチタスクをこなすプロフェッショナル。


 ジャグリング仕事人になろう。


このサイトにきたら、クリック協力願います。--> blogランキング投票