おまけと心理戦(2)

Sabajapan2011-01-04


 コンプを意識すると、どうしても掛け金つまりベットの単位が上がっていきます。30分に一回程度、カジノ側のマネージャがチェックしますが、チェックされているときは、多めに張りたくなります。つまり掛け金単位を多く評価してもらいたいからです。この評価はレーティングと呼ばれます。


 勝負が開始されたばかりの出だしでは、場の流れを読まなければなりません。しかしメモを持ったカジノ・マネージャは、レーティングのためにプレーヤーをしっかり観察しているのがよくわかります。観察されていると、レーティングを意識して、賭け方が少し飛ばし気味になります。基本的には場の流れを読むようなタイミングでは、小さく賭けて、流れを読んだ後に勝負どころで大きく賭けるのがセオリー。レーティングを意識すると、逆になり、流れがよくわかっていない時に大きく張り、勝負どころでは資金が少なくなっているパターンがよくあります。気をつけましょう。


 レーティングの単位ですが、カジノによってばらばらです。アメリカの場合、1回あたりの掛け金を20$、40$、100$、300$、1000$ぐらいの区分けで見ているようです。韓国のあるカジノは、100000ウォン以上でないとレーティングしないと言っていました。これも人間業なので、手間がかかるということです。


 我々の想像以上に、カジノ・マネージャはプレーヤーの賭け方をよく見ています。しかし時々、いい加減なカジノ・マネージャだったりすると、レーティングをよく忘れます。長時間頑張ったにもかかわらず、まったくレーティングされていない時もありました。また、難しいのは、ゲームをした後、直ぐにポイント・システムに反映されない点です。タイムラグがある理由は、人間がその結果をコンピュータに入力しなければならないことにあります。また、システムによっては、半日もしくは翌日でないと加算されないものもあります。出発ぎりぎりまでプレイした実績は、精算の時には反映されておらず、納得がいかないケースも少なくありません。


 これまで、カジノ・マネージャがプレイヤーの掛け金を評価するレーティングについて書いてきましたが、カジノ側がもっと確実にプレイヤーに賭けさせる方法があります。


 カジノ側が色々なルールを設定して、プレイヤーを優待するプログラムがありますが、その中で提供されるノンネゴチップというチップがあります。このノンネゴチップのノンネゴは、Non Negotiableの略。カジノ側は10000$を受け取り、プログラム提供時に10000$のノンネゴチップを渡します。このチップは通常のチップと違って、現金に換えることができません。もちろんテーブルでゲームをプレイすることはできます。ゲームにおいて、負けた場合は、そのままチップは回収されます。勝った場合は、張ったノンネゴチップはプレイヤーに戻り、勝った分は、普通のカジノチップで配当されます。つまり長時間プレイしていると、ノンネゴチップは負ける毎に回収され、普通の換金可能なチップに変わっていきます。犯罪で得た汚いお金を、流通可能な普通のお金に換えるマネーロンダリングのようですが、まさしくこのことをローリングと言います。


 カジノ側は、このノンネゴチップを渡すことによって、プレイヤーは確実に、10000$分のゲームを行うことになります。あまりゲームはしないが、テーブルに陣取って、飲み物ばかり楽しんでいるプレイヤーはノンネゴチップが消化できません。ノンネゴチップはカジノ側にとって、プレイヤーを賭けへと導き、ローリングさせて確実に儲ける方法なのです。ローリングすれば、確率論で確実にカジノ側が有利になります。


P.S.
 1.昔、麻雀仲間から届いた年賀状に、「絶対麻雀に負けない方法」というクイズが書いてありました。答えは、「麻雀をしないこと」でした。強制的なローリングは魔界への第一歩です。


 2.最近の雑誌、特に女性誌には、派手で大きなおまけが付いています。スポンサーからの提供がほとんどだと思いますが、ついついそれに釣られて購入してしまう人が多いようです。アウトレットのブランド品、「3つ買えば1つ無料」という罠に、今日はまりました。おまけの心理戦には気をつけましょう。