機会と成長

Sabajapan2007-12-30



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 丁度10年前、SAPジャパンで独立した社内カンパニーのリーダーになる機会を与えられました。人事モジュールの拡販とソリューションの提供を目的とした社内カンパニーです。ソニー等が先鞭を切って導入した組織形態で、持っている機能にもよりますが事業部制に近い概念の組織です。


 社内カンパニーを設立した理由は大きく2つ。

  • 意思決定を素早く行い、直ぐにアクションを取って行くアジリティある組織にする
  • 若い人財に権限委譲し自律型社員を育成する

 2つ目の理由は、当時の中根社長から直接聞いていませんでしたが、その社長が新人へのスピーチを行った際に「30歳代のカンパニー・プレジデントを創りたかった。」と話をしていたそうです。完全主義を超える厳しさで、鍛えてくれた中根さんですが、私と、若い組織を育てようと考えてくれていたのでしょう。


 「人の採用と配置」、「マーケティング」、「独自ソリューションの開発」、「戦略提携」など、勝手に色々なことをやらせてもらいました。今思えば、ほとんど中根さんに相談したことはありませんでした。怖いもの知らずという年代であったかもしれませんが、その背景にあったのは自己責任という気持ちが大きかったと思います。チームメンバーもカンパニー成功のために必死で働いてくれました。


 結果は官僚的な組織とは正反対。失敗も数多くしましたが、自分で判断、自分でアクションできる若い人々が多く育ちました。これはやはりこの「機会」を与えてもらったことが大きな成功要因です。優秀な人は山ほどいますが、多くの人々はこの成長の機会を与えられていません。みんなの素直な目線が同じ方向を向いていて、各人が自分の良さを発揮していれば、成果は必ず出ます。しかも自律型の組織は、行動が早いのです。


 P.S. 年末にこの組織の一部メンバーが集まりました。参加できなかった人も含め、多士多才。新卒だった人が立派に成長し、今では中堅、幹部として色々なところで活躍しています。中には若いながらもトップパフォーマーとして全社から表彰された人財もいます。やはり人の成長、組織の成功は、人々を信じることから始まります。


 来年も成長していきましょう。良いお年を!!